世界で一番キミが好き
本当に、腹が立つ。
どうしてキミは、誰にでも優しいの?
キミが他の面々に優しくしている姿を見ると、ボクは気が狂いそうになるよ。
そんなに優しく微笑まないで。
そんなに、無防備な顔をしないで。
みんながキミを好きになってしまったら、どうしてくれるのさ!?
いや、もうその兆候はある。
キミを見つめるジェットの視線。
危険すぎるよ。
キミを見つめる、ジョーの視線。
絶対に、良からぬコトを考えているね。
ボクの気持ちは走り出していて、もう元には戻れない。
キミはただ、ボクだけを見ていればいいんだ。
振り向かせたいのに、キミはいつでもボクを子供扱い。
本当に、腹が立つ。
腹を立てながらも、キミが好きでたまらないボク。
ボクはね、キミのコトなら、なんでも分かるよ。
伊達に何十年も見つめていないから。
でも、ボクが分かるのはキミのコトだけだ。
そのキレイな氷の瞳に隠されている、キミの哀しみも。
本当は寂しがり屋だというコトも。
優しい笑顔で、自分を偽らなくてもいいよ。
ボクには本当のキミを見せて。
守ってあげるよ、大好きなキミを。
キミみたいな難しい性格の人、ジョーやジェットじゃ守りきれないとでしょ?
だから、ボクに全てを預けてみない??
キミのコトなら、なんでも分かってしまうボクに。
そんな主張をするボクを見て、キミはクスクスと可笑しそうに笑った。
「ありがとう、イワン。期待しないで待ってるぞ」
なんだか、腹が立つ。
ボクは真剣なんだよ、ハインリヒ?
「よーく覚えててよ、ハインリヒ!いつか絶対、ボクのことだけ見つめさせてみせるから!!キミに相応しい男は、世界中でこのボク一人なんだからねっ!!!!」
ズビシィっ!とハインリヒを指差しながらそう言ったら、ハインリヒは笑いが止まらない涙目で、
「分かった、分かった。・・・覚えておくよ」
・・・子供扱いしてる。
本当に、腹が立つ。
胸倉を捕まえて、自分の方に引き寄せて。
薄い唇に、キスをしてやった。
「・・・っ!?」
動揺している。
ちょっといい気味だ。
「イワンっ!!!」
厳しい声で名前を呼んでるつもりだろうけど、そんなに顔を赤くしてちゃ、全然迫力がないよ、ハインリヒ。
ボクはハインリヒに向かって、思いっきり舌を出して見せた。
「べーっ、だ!!ボクのコト、子供扱いするからいけないんだからね!?」
本当に腹が立つ。
キミに、子供扱いされるコト。
キミが誰にでも優しいコト。
ボクにも同じように優しいコト。
悲しい時は、優しくしなくてもいいよ、ボクには。
辛い顔をしても、泣いても。
怒ったって、全然構わないよ。
だから、ボクのモノになって。
そんなに笑わないで、真面目にボクの話を聞いて。
キミって、本当に腹の立つ人だね。
でも、でもね。
「ハインリヒ!」
ボクがキミの名前を呼ぶ時。
振り返るキミの柔らかな銀の髪が、微かに揺れて。
「どうした、イワン?」
氷色した瞳が優しい光を湛えているのを見ると、怒っていたことなんて忘れてしまうよ。
ボクはやっぱりキミが好きで。
そんなボクの気持ちなんて、キミはお構いなしだけど。
いつかいつか、絶対に振り向いてもらうからね。
だから。
覚悟していて、ボクのハインリヒ。
ボクがどんなにキミが好きか分かろうとしてくれない、世界中で一番キレイでカワイイ、ボクのハインリヒ。
キミは、ボクだけのキミ。
ボクは、キミだけのボク。
・・・忘れないでね。
〜 END 〜
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スミマセ〜ン!!
24モードを必死に切り替えて14モードに突入して書いたんですけど!
このていたらくかい、自分!?
イワンに思いっきり感情移入して書きました(爆)。
14じゃなくて、1→4ですね・・・。
まだ、ハイン全然イワンのこと相手にしてないし。
ファイト、イワン!ハインをグルグルと振り回すんだよ!!
次回は、振り回されるハインを書きたい・・・。
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