スキカップリングでキス十題

04:おでこに
(24)




「ハインリヒ・・・」
 名前を呼ばれ、振り返ると。
 綺麗な琥珀色の瞳が目の前にある。

 オレの好きな、美しい色。
 とても優しい、瞳。

「・・・ハインリヒ」
 そんな真面目な顔をして。
 オレに、何が言いたい?

 長い指が、オレの頬に伸び、そっと触れられた。
 ドキリとする。

 その指はすぐさま頬を離れて。
 ふわり、と。
 オレの前髪をかき上げた。

「ハインリヒ」

 だから一体、何なんだ??
 そう思いながら、ジェットを見上げると。
 ヤツは、ひどく穏やかな表情で微笑んだ。

 そして、長身を屈めて・・・。

 額に、温かくて優しい感触。
 キスをされたと分かった瞬間、頬が、熱くなった。

「ハインリヒ、好きだよ」

 何を、突然。

「・・・好きだよ・・・」

 そんな目で見つめられたら。
 胸がドキドキして、困る。

「好きだよ・・・」

 優しく優しく。
 啄ばむようなキスが、何度も何度も額に降りてくる。

 何なんだ、一体。

「ねえ、オレのコト、好きだって言ってよ・・・」

 何を、今更。
 そんなこと、言わなくたって・・・。

「・・・好きだぞ・・・」

 自分の意思とは無関係に、口唇が言葉を紡ぎだす。
 ヤツの表情が、パッと明るくなり。
 腕の中に、抱きしめられた。

 何だってんだ、イキナリ。
 今更、オレのそんな言葉で喜ぶなよ。

 そんなことを思いながらも。

 胸が。
 ドキドキして・・・。
 ・・・困る。




〜 END 〜





おでこにキッスvvv
ベタ甘なお話を目指してみましたが、いかがでしょう(笑)??
ここまで甘い話を書くのは久々のような気がします。
併せて、自分の欲求不満も解消!
イエーイ。





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