スキカップリングでキス十題
10:蕩けるような
(24)
キミが好き、キミが好き、キミが好き。
だから、キスしたい。
キスしたい。
・・・キスしたい。
柔らかな銀糸のような髪。
光を浴びて、キラキラと光る。
・・・キスがしたい。
サラリと流れる前髪を掻き分けて。
白い額にキスしたい。
視線を伏せると微かに震える、長い睫毛。
それが彩る、キレイな氷色の瞳に。
キスがしたい。
時折。
うっすらと仄かに赤く染まる白い頬にキスがしたい。
柔らかな口唇は、キスをすると、とても雄弁になる。
それが嬉しいから、キスがしたい。
なだらかな首筋、色っぽいラインを描く鎖骨。
もっと、もっとその先まで。
ああ、キスがしたい。
キスしてキスしてキスして。
オレのキスで、キミが溶けてしまうぐらい。
キミを、溶かしてしまいたいよ。
どうしようもなく、キミに、キスがしたい。
「何だ一体?さっきからジロジロと人の全身を舐め回すように見て。落ち着かんだろうが?」
怪訝そうな声に、ハッとする。
それは、舐め回すように見ていただろうさ。
だって今、キミの全てにキスがしたい。
オレの腕の中で、溶けて溶けて、蕩けてしまえばいい。
「・・・・・・」
無言のままのオレに、キミは困ったような顔をして笑いかけた。
「本当に、どうした?」
「・・・キス。キスがしたい」
答えると、キミの瞳が丸くなり。
「は?イキナリ何を言い出すんだ、お前は?」
「キスが、したい」
重ねてそう言うと、やっぱり困ったような笑顔が戻ってきた。
「あのなぁ。自分の言ってることが分かってるか、お前?」
「分かってる。キスがしたい。キミの、全部に」
小さな溜め息。
呆れたような眼差し。
仕方ないだろう?
好きだから、キスしたい。
当たり前の感情じゃないか。
キミの気持ちなんか、聞かない。
オレが、キスしたいから。
攫うようにして腕の中に抱きしめて。
手当たり次第に、キスをする。
好きだ、好きだ、好きだ、好きだ。
キミの口唇から零れる、甘い吐息。
オレも、溶けてしまいそう。
なあ、このまま、蕩けさせてくれ。
キミとキスしたまま。
このまま、二人で溶けてしまえたら。
キミが好き、キミが好き、キミが好き。
だから、キスしたい。
キスしたい。
・・・キスしたい。
もっと、ずっと・・・。
「キス・・・させてくれよ・・・」
耳元でそっと囁いたら。
途切れ途切れの言葉が返ってきた。
「もっ・・・充分、してるだろうが・・・この、馬鹿・・・」
「まだ、足りない」
目の前の瞳が、揺れる。
甘く。優しく。
「もっと・・・。キス、させてよ・・・」
二人で、トロトロになってしまおう。
チュ・・・。
音を立てながら、口唇を重ねる。
もう、何度目かも分からない。
キスして、キスして、キスして。
オレは、キミの中に溶けてしまおう。
〜 END 〜
とにかくベタ甘。をテーマに。
ハインにキスがしたくてしたくてたまらないジェットを、
突如として書きたくなりました(何故!?)。
かなりジェットが壊れ気味でスミマセン。
二人一緒に蕩けちゃってくれよもう!!
と、書いた自分も壊れ気味です。
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