「おい・・・」
「ん?何??」
「いい加減に、どけ。うざったくて仕方ない」
連れない物言い。
けれども、言葉尻に照れが入っている。
可愛いなぁ・・・v
などと、口に出したら殴られそうな事を思いながら、ジェットは口元を緩めた。
「ハイハイ、仰せの通りに」
軽口を叩きながら、身体を上げる。
本当はもっと、抱きしめていたかったのに。
ほんの少し前まで白い肌を薄紅色に染めながらジェットと抱き合っていたその 人は、そんなことは既に忘れたかのような顔付きで、ベッドの上で寝そべっている。
不意に。
白い指がベッドサイドに伸び、煙草の箱を掴んだ。
スッと一本を抜き取り、形のいい口元に、それが運ばれる。
煙草を挟む指の様とか。
それを口元に持って行く色っぽい仕草とかは好きだけれども。
「ダメ」
続けてライターに伸ばされた手を、押しとどめた。
「身体に悪い」
そう言えば、悪びれもなく答える。
「こんな身体の、何処が悪くなるってんだ?」
少し、苛立ちながら。
「とにかく、ダメだって」
指の間から、スルリと煙草を取り上げた。
「おい!!」
不満そうにジェットを見上げるその人の口唇に。
掠め取るように、キス。
それだけで、ハインリヒの頬が、カッと朱を刷いた。
さっきまで、もっと恥ずかしいコトしてたのに・・・。
ホンット、可愛いな・・・。
笑いながら、ジェットはもう一度。
今度はチュッと音を立てて、派手にキスをした。
「ジェット・・・!!」
抗議の声を上げるその人に、ジェットはパチリとウインクして見せた。
「口淋しいならさ。オレと、キスしよう。な?」
呆れたように肩を竦めるその人に、
「キスの方が、ずっとイイだろ・・・?」
そう言って、二度、三度と。
徐々に深く口付けた。
「ジェッ・・・!んん・・・っ」
反論の余地も与えずに、キス、キス、キス。
口唇を離すと、グッタリとシーツの海に顔を沈めてしまう。
「・・・この馬鹿・・・」
途切れ途切れに聞こえる非難の声に。
「でもさ、気持ちよかったろ?」
答えると、サラサラの髪の隙間から覗く耳が、赤くなったのが分かった。
「煙草吸いたくなったらさ。今のキス・・・思い出せよ」
耳元で低く囁くと。
上掛けを頭のてっぺんまで引き上げながら、
「知るかっ、馬鹿っ!!」
小さな怒鳴り声が、聞こえた。
クスクスと笑いながら。
ジェットは上掛けの上から、その人の頭を撫でた。
「可愛いなぁ、キミは・・・」
殴られるかと思ったが、鉄拳は飛んでこずに。
その人は、ますます深く、布団の中に姿を隠してしまうのだった。
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事後の24、というコトで、このような話に。
これなら表にもギリギリ出せるような気が致します(汗笑)。
いや、やっぱりこのレベルだと、ウチでは裏ですか!?
一さん、イラスト本当にありがとう。
あの素敵イラストに付くのがこの話でスミマセン。
でも、こんんな24想像しちゃったvvv
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