眠るハインリヒ
いつもサイトに遊びに来てくださっているコアラ様から、
新年のご挨拶にハインリヒを頂戴いたしましたvvv
お正月疲れのハインさんということで、
お洋服を着たまま、ベッドの上でスースーと眠っていらっしゃいます。
う、美しい〜vvv
まるで眠れる森の美女の佇まいでございます!!
無防備な寝顔にクラクラですよ〜!
コアラ様、いつもお優しいお言葉を賜っている上に、
このような心癒される素晴らしいイラストをありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします〜v
コアラ様のご許可を得て、SS付けさせていただきましたvvv
見てやろうという方は、素敵イラストの下へお進みくださいませ。
「ジェット〜」
「ん?何だ、フラン??」
「お茶が入ったわ。ハインリヒが起きていたら、呼んできて頂戴」
「了解」
今年も、10人揃ってギルモア邸で正月を迎えた。
日本で言う正月休みとやらもあと僅かで終わりの今日、皆で揃って、コズミ博士に年始の挨拶に行って。
ギルモア邸に戻った途端に、
『疲れた・・・。少し寝かせてくれ』
と言い置いて、ハインリヒは自室に引っ込んでしまった。
正月早々の初詣。
そしてフランソワーズに連れられてデパートで福袋購入など、人ごみが嫌いなのに人ごみの中に連れ出されたハインリヒの疲れ様は、何となく理解できる。
正直、ジェットも少々疲れを感じているほどだ。
ジェットは軽い足取りで、階段を上がった。
ノックをせずにドアを開くと怒鳴り飛ばされるので、一応、きちんとドアを叩いてみたが。
・・・部屋の中から、返事はない。
「ハインリヒ・・・?」
呼びかけてみたが、やはり答えはなく。
様子を見るだけと自分に言い訳をして、無断でドアを開いた。
「!!」
ベッドに横たわる、華奢な身体。
近づいて見ると、なんとも安らかな表情で、スースーと寝息を立てている。
「うわ。可愛い・・・」
正直な感想を述べ、ジェットはまじまじと、眠るハインリヒを観察した。
タイを解き、シャツの前ボタンを幾つか開けて。
開かれたシャツの色に負けず劣らずの白い肌が、目に眩しい。
チラリと覗く鎖骨に、ジェットはゴクリと喉を鳴らした。
薄く開かれた口唇には、キスをしたくなる。
(さ、誘ってる・・・?)
一瞬だけそのような事を考え、けれどもジェットはブルブルと首を横に振った。
それからポスンと、ベッドの脇に腰を下ろし。
再び、ハインリヒに視線を当てた。
「・・・ハインリヒ・・・」
穏やかな寝顔を見ていると、先ほどの邪念が綺麗に昇華されていくような気がした。
「ハインリヒ・・・」
名前を呼びながら、絹糸のように柔らかな髪に手を触れた。
「イイ夢見てる・・・?」
その髪を撫でながら、呟いた。
「どうせなら、オレの夢を見てよ・・・。なんてな」
瞳を和ませて、ジェットはただじっと。
飽きることもなくハインリヒを見つめた。
「もう、ジェットったら、遅いわね・・・!」
痺れを切らしたフランソワーズが、二階に上がって来た。
そして、ハインリヒの部屋のドアを開けたフランソワーズの瞳が、優しく細められた。
「あらあら・・・」
クスリと小さな笑いが口唇から零れる。
無防備な寝顔のハインリヒ。
ハインリヒに寄り添うようにして、幸せそうに眠っているジェット。
「このままだと、風邪をひくわ・・・」
フランソワーズは呟きながら、二人の足元で丸まっている上掛けを手に取り、かけてやった。
「・・・お茶はまた後でね。オヤスミナサイ」
囁くようにしてそう告げ、フランソワーズは部屋を出た。
パタリと小さな音を立ててドアが閉じられ・・・。
そして、そして。
ほんのりと薄暗い部屋の中は、二人分の寝息で満たされていった。