文字書きさんに100のお題
045:年中無休
(キングン)
ちょっぴり癖のある、金の髪。
大勢の中でも目立つから、僕はすぐに君の姿を見つけることが出来る。
「キンちゃ〜んvvv」
振り向いた瞳の穏やかな藍が、とってもキレイで大好き。
パタパタと駆け寄ると、
「どうした、グンマ?」
優しい声音で問いかけてくれる。
「ねえねえ、キンちゃん。今からドライブに連れて行って」
僕は君にはとてもワガママ。
君はとても忙しいし、僕だって本当は忙しい。
けれども。
ワタワタと仕事にばかり縛られるなんて、そんなの嫌い。
「ね、いいでしょ??」
小首を傾げて、長身の君を見上げるような仕草。
ふう、と吐息を吐きながら。
困ったように君は笑う。
「仕方ない奴だな・・・。ホラ、行くぞ」
「うん、ありがとうv」
キュッと大きな手を握る。
「大好きだよv」
そういうと、今度は少し照れたような顔をして笑った。
窓の外を、景色が走る。
君の運転は、とても紳士的。
「お前が運転すると、怖くて敵わん・・・」
なんて言いながら、僕には運転させない。
君の隣で、僕は呑気に窓からの風景を楽しむ。
「何処に行くんだ?」
「ん〜?どこでもいいよv」
曖昧に答えると、君は海の方向に車を走らせた。
言わなくても分かって貰えるって・・・。
ちょっぴり、嬉しいかも。
少し冷たい海風が、君と僕の髪を揺らした。
秋も深まった季節の海になんて、誰もいない。
夏とは違って、少し重く感じられる海の色。
物悲しいような、その色が好きで。
時折、眺めたくなる。
「寒いな・・・。お前に風邪でもひかれたら面倒だ。戻るぞ」
「え〜!?あともう少し・・・!!」
君はやっぱり小さく溜め息をついて、上着を僕に掛けてくれた。
・・・優しいね・・・。
僕は、そんな君が、大好きです。
『大好き』
僕のこの想いは、年中無休。
いつでもどこでも、僕は君を呼ぶよ。
今日も明日も、その先もずっと・・・。
だって、大好きなんだもん。
「キンちゃ〜ん!!」
僕の声に振り向く、君の姿。
なんて優しい瞳。
好き好き、大好きだから。
僕は、今日も君を呼ぶよ。
だからお願い。
ワガママ聞いてね。
〜 END 〜
短いですが、秋のキングンをベタ甘でお届けしました(笑)。
グンちゃんの一人称は書きやすいです。
大好きな気持ちは、お互いに年中無休でお願いしますvvv
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