Two As One 2
アンジェリーク・リモージュは、聖殿へと向かう途中だった。
ふわふわとした金の髪を揺らしながら、パタパタと急ぎ足で駆けていた。
目指す先は、光の守護聖の執務室。
やーん!何で寝坊しちゃったんだろう?今日は惑星の視察にも行きたいのに、時間大丈夫かなぁ。ロザリア、何で起こしてくれなかったの〜!?バカバカっ(涙)。
ロザリアがアンジェリークを起こさなかったのは、あまりにも気持ちよさそうに寝ていたから、らしい。
テーブルの上の置手紙に、そう書いてあった。
それにしたって・・・。うわーん!!
パタパタ、パタパタ。
聖殿の入り口が見えてきた。
一目散に駆け込もうとするアンジェリークだったが。
「キャッ!?」
ドン!という衝撃と共に、人にぶつかってしまった事を知る。
そのまま、アンジェリークは、こてっと地面に膝をついた。
相手の背格好からジュリアスにぶつかってしまったと思い、アンジェリークはサーッと青くなった。
「ご、ごめんなさい、ジュリアス様っ!!」
青くなりながらも、謝罪の言葉を口に上らせると。
大きな手がスッと、アンジェリークに差し伸べられた。
「私の不注意だ。失礼した」
「え?」
驚きながらその手の持ち主を見上げると。
ジュリアスではない男性が、実に優美な仕草でアンジェリークに手を差し出していた。
その男性は、先日謁見の間で姿を見かけた、オスカー・フォン・ロイエンタール提督だった。
陛下の大切なお客様に・・・!!!
そう思い、アンジェリークはまた別の意味で青くなったが・・・。
「大丈夫ですか、フロイライン・・・」
その声にハッとして。
せっかくなので、ありがたく手を借りる事にして、キュッと握り締めた。
大きな手の平は・・・ひんやりと冷たかった。
スイ、といとも簡単にアンジェリークを立ち上がらせ、ロイエンタールが問いかけてきた。
「何をそんなに急いでいたのですか、フロイライン?」
その問いで、『育成のお願い』という使命を思い出す。
「あっ!そうだ!!ジュリアス様に育成のお願いに行かないとっ!!」
ワタワタと慌てるアンジェリークを眺めつつ、
「育成とは、貴女方が育てている大陸に力を送ってもらう、という行為だろうか?」
ロイエンタールが再び問いかけてきた。
「あ、はい!!」
改めて、視線をロイエンタールに当てると。
瞳の色が左右で違うのね・・・。両方とも、すごくキレイ・・・。
深い海の青を思わせる左目と、漆黒の闇のような色をした右目。
吸い込まれそうな気持ちになって、思わずまじまじと見つめていると・・・。
「フロイライン?」
「はい!?」
「私は、育成に興味がある。ご一緒しても構わないか?」
「構いませんけれど・・・。えと、でも、実際に私が育成するわけではなくて、守護聖様に力を送っていただくのであって・・・」
ブツブツとアンジェリークが呟くと、ククッと喉を鳴らしてロイエンタールが笑った。
「それは、分かっているのだが・・・。実際、貴女方がどのような行動を取っているのかにも興味があるので・・・」
コクコクと頷きながら、アンジェリークは返事をした。
「はい。私なんかの行動は参考にならないと思うんですが・・・それでもよろしければ」
「では、ご一緒させていただこう」
「あ、じゃあ、こちらです」
トテトテと、アンジェリークは歩く。
ジュリアスの執務室に向かって。
その後ろを、カツカツと歩くのはロイエンタール。
あ〜ん。何だか、お客様とご一緒だと、緊張するなぁ。
微妙にぎこちない動きで歩きながら、アンジェリークはジュリアスの執務室に辿り着き。
「ジュリアス様、こんにちは〜」
パタリと、そのドアを開けた。
〜 続く 〜
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まずはロイ様とのコンタクトですっvvv
ベタでスミマセン(笑)。
マイヤ提督との出会いは、次回になります〜。
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