〜彼の事をきかせて〜
キャラ説明に使えるかもしれない十題
08:短所
(リュミエール様のこと)
ニッコリ。
ひどく優しい笑顔を向けられ、アンジェリークはリュミエールからパッと、視線を背けた。
女王陛下の水の守護聖は、とてもとても優しい人物だ。
司る力、そのままに。
美しい水色の瞳が、優しくアンジェリークを見つめ、彼はゆっくりと アンジェリークに歩み寄った。
「アンジェリーク。一体どうしたのですか?わたくしは何か、貴女を怒らせるような事をしたのでしょうか?」
最近、視線が合うと目を逸らしてしまう。
そんなアンジェリークの態度をリュミエールが不思議に思うのも無理のないことだった。
「べっ、別に!何でもありません!!」
リュミエールの顔を見ないまま答えると、ギュッと手首を掴まれた。
「アンジェリーク!!」
厳しく名前を呼ばれ、アンジェリークは上目遣いでそっと、リュミエールの表情を伺った。
声と同じく、表情もいつもより厳しい。
「教えてくださいますね?貴女がどうして、最近わたくしを避けているのか」
リュミエール様って、こんな表情もされるんだ・・・。
人事のように、アンジェリークは思った。
そして、通常よりも数段険しいリュミエールの顔を見ながら答えた。
「リュミエール様は優しすぎて・・・。一緒にいると、甘えてしまって、自分が前に進めなくなるような気がして・・・」
優しい優しい、水の守護聖。
その優しさは長所であると同時に・・・。
「だから、私・・・」
「申し訳ありません。貴女にそのような事を思わせていたとは・・・」
表情を少し和らげて、リュミエールはアンジェリークに笑いかけた。
「けれどもわたくしは、貴女を甘やかしているつもりは全くありませんよ。ですから、わたくしの力を必要だと思って下さった時には、いつでもわたくしを頼ってくださいね」
リュミエールの手の平が、アンジェリークの手を包み込んだ。
「わたくしも一緒に進んでいきますから。貴女が、進むべき道を」
側にいると、あまりにも居心地が良くて。
それが却って、怖かった。
その場に立ち止まってしまいそうだと、危惧を感じて。
優しさが、毒になることもあるからと、そう思ってしまったけれど。
「リュミエール様、怒っていらっしゃらないんですか?」
「怒る?わたくしが、何を?」
その優しさを・・・まるで欠点のように思ってしまったこと。
「アンジェリーク。お願いですから、今後わたくしを避けるようなことはなさらないでくださいますね?」
優しいリュミエール様に心配をかけるようなことをしてしまって・・・。
自己嫌悪のため息をついた後、アンジェリークはリュミエールに笑いかけた。
「はい。約束します。済みませんでした・・・」
「それでは、女王候補寮までお送りいたしましょう」
リュミエールの横をトテトテと歩きながら。
この方の優しさは本物だなぁ・・・。
そう、アンジェリークは思った。
〜 END 〜
リュミエール様の登場です。
優しさが欠点になることもある!!
というコトを書きたかったのですが、
上手く言葉に出来ませんでした・・・(汗)。
これじゃ、「優しさ」で書いたほうが良かったかも・・・。
なんて思いながら書いてました。
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