24時間いつでもおいで
(サイゼロ:24)




 青い空を抜ける。
 目指すは、キミの傍ら。
 与えられた『力』。こんな時は便利でイイと、都合良く思ったり。

 フワリと止まって、申し訳程度にキミの窓を叩く。
 鍵の掛かっていない窓。
 難なくそれを開いて、スルリと部屋に滑り込んだ。
 部屋の中に、キミの姿はない。

「おーい、ハインリヒ〜??」
 ウロウロしながら名前を呼ぶと。
 キッチンから、バタバタと忙しない足音。
「ジェット!!」
 眉間に皺を寄せながら現れたその人の手の平には、大きなマグカップ。
「あ、オレにもお茶淹れて」
 のほほんと言うと、ギロリとこちらを睨みながらも、再びキッチンに引っ込んだ。



 ズズズ・・・、とマグカップから紅茶を啜りながら、テーブルを挟んで二人で向かい合う。
「しつこいぐらいに言っていると思うが、窓から突然入ってくるなよ。驚くだろう?」
 ブチブチと文句を言う声。

 けれども、いつ来ても、鍵の掛かっていない窓。

 窓の鍵をかけない。
 それは、オレがキミの所にいつでも来てもイイんだって、キミなりの合図。
 きっとそうだと、オレは勝手にそう思っている。
 だから、そのお返しに・・・。

「ねえ、ハインリヒ」
「何だ?」
「オレの腕は、24時間フルタイムでキミのために空けてあるから」
 そう言ってニッコリと笑いかけると、
「だから、何だ?」
 冷たい返事が戻ってきた。
「だ・か・ら!」
 ハインリヒに向けて、両手を大きく広げて見せる。
「だからいつでも・・・オレの腕の中に飛び込んでおいで」
 囁くようにしてそう言うと、ハインリヒの白い頬がパッと朱を刷いた。
「なっ!なななっ!何を恥ずかしい事を真顔で言ってるんだ!?」
「恥ずかしくなんてないさ。本当のコトだろ?」
 済ました顔で答えると、ワタワタと挙動不審になって可愛い。
 慌てるハインリヒに、余裕の笑顔を見せてみた。
「今すぐでもいいんだぜ・・・?・・・おいで」

 音を立てながら腰を上げて。
 生真面目な顔をして、でも頬を赤くしたキミが、オレの目の前に立つ。
 笑いかけながら腕の中にその身体を攫って、ギュッと抱きしめた。

 優しい、キミの香りがする・・・。

「はー。何か、キミを抱きしめてると安心する・・・」
「・・・オレは、抱き枕か・・・?」
「枕になってくれるなら、このままベッド行きだけれど・・・?」
 殴られるかと思ったが、鉄拳が飛んでくる事はなく。
 その代わりに、オレの首に回るキミの腕。
 キュウと優しく・・・抱きしめられてるんだよな?
 そして、
「昼寝でもするか・・・?」
 笑いを含んだ声に。
「寝かせてあげられるか分からないけどね」
 こちらも笑いながら答えると。
 額に優しいキスが降りてきた。

 ・・・決定。
 これから、宣言どおりに、キミを寝かさない昼寝時間に突入します。



  〜 END 〜




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にーよん時間いつでもおいで、は24でございました〜。
リクを下さったNさま、ありがとうございましたv
こんなんで大丈夫・・・な訳ないですね、スミマセン(土下座)!!
短いですが、ベタ甘で愛はテンコ盛り!!
一応、24デー更新になって良かったですv





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