<HAPPY!?24デー>

24デーその11:フランソワーズの襲撃




 ピルルルルルル〜!!!
 テーブルの上に無造作に置いてあった通信機から、突然音がする。
 ハインリヒを押し倒し、キスをする寸前だったジェットは、思わず固まった。
「通信だ。フランからじゃないだろうな・・・?」
 腕の下で、
「どけ。オレが出る」
 無常な一言と共にハインリヒは腕を払い、
「うわっ!?」
ジェットはそのまま、ソファから転がり落ちた。
「ハインリヒ〜!?」
「不埒な行為を働こうとした罰だ。少し黙ってろ」
 通信機を手に取り、ハインリヒはそれに語りかけた。
「オレだが・・・?」
『はぁあいv私よ、フランソワーズ。ハインリヒなの?』
 通信機からキャピキャピとした声が聞こえてきて、ジェットは脱力しそうになった。
「そうだが・・・」
『ちゃんとお留守番してくれてる?お買い物、キッチリ済ませてくれた??様子が気になっちゃって、連絡しちゃったvキャッvvv』
「ああ、特に変わりはない。買い物はキチンと済ませた」
 キャッvvv
 ・・・じゃねえよ・・・。
 と、ジェットは心からそう思った。
 フランソワーズはジョーとのデート中(博士込みだが)で嬉しいかもしれないが、こちらはいいムードのところを邪魔されたのだ!!
 ジェットは思わず、チッと舌打ちした。
『・・・ハインリヒ』
「なんだ?」
『ジェットに代わって頂戴』
「ジェット。フランがお前に代われとさ」
「あーん?何だよ??」
 ハインリヒから通信機を受け取ると、フランソワーズのにこやかな声が耳に飛び込んできた。
『ジェット。今、舌打ちしたでしょ?アナタ、何様のつもり??』
「舌打ちなんかしてねえよ!」
『いいえ。ワタシにはしっかりと聞こえたわ。帰ってきたら憶えてなさいよ!?』
「オイオイ、勘弁してくれよ」
『ま、それは冗談だけど。お留守番、しっかり頼むわよ』
「へーい。分かりましたって」
『それじゃあね。ハインリヒにもヨロシクvvv』
 プツっと音を立て、これまた唐突に、通信が途切れた。

 まるで嵐のような一時だった・・・。
 思いつつ、ハインリヒに視線を走らせると。
 ジェットがたくし上げようとしていた上着をキッチリと直し、そ知らぬ顔でソファに座っている姿が目に入った。
「なあ、ハインリヒ。続・・・」
「何だ??」
 皆まで言わせて貰えず、ニヤリと微笑まれてジェットは言葉を飲み込んだ。
「さて、コーヒーでも淹れてくるか・・・」
「ハインリヒ〜!!」
 ジェットの情けない声は、ハインリヒの耳を素通りしたようだった。
 少し開いていたリビングの窓を大きく開け放ち、ハインリヒはスッと瞳を細めた。
「少し暑いが・・・。いい天気だ、本当に」
 開いた窓から風が流れ込み、ハインリヒの柔らかな髪を揺らした。
 窓の外の蒼い空をバックに、太陽の光に髪を輝かせながら、気持ち良さそうに風に当たっているハインリヒの姿が、ジェットの目には一枚の絵のように見えた。
「・・・ハインリヒ」
「ん?」
 キミが、綺麗だ。
 そう言いそうになったが、今それを言うと、怒鳴られるか問答無用で殴られそうな気がしたので、ジェットはそれを思いとどまった。
「コーヒー、俺が淹れてやるよ」
「そうか・・・」
 キッチンへ行くために、ハインリヒの前を通り過ぎると。
「まだまだ一日は長い。そんなに、焦ることはないだろう・・・?」
 ジェットの背中を、ハインリヒの声が追った。
「え・・・?」
 ジェットが振り向いた時には、ハインリヒは何事もなかったかのように窓の外を見つめていたが。
 言葉の意味を(勝手に)深読みし、ジェットはその横顔に、そっと微笑みかけた。




〜 続く 〜



散々お待たせしておいて、この程度でスミマセン。
しかも、私も時間を勧めることができませんでした!!
今は午後2時ごろですかしら、ねこ太さま!?
二人の一日は、まだまだ長いぜ!!
面白くもない部分で途切れてしまいました。
続きをよろしくお願いたします〜。






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