<HAPPY!?24デー>

24デーその9:格闘!スウィートパフェvvv




 目の前に現れた、超巨大パフェ。
 最初はその大きさに驚くばかりのハインリヒであったが、よくよく眺めていると、そのパフェはとても美味しそうに見えた。
(絶対に食べ尽くすぞ!!)
 との決意も新たに、パフェと睨み合うアルベルト・ハインリヒ(30)。
 しばし、パフェとの真剣な睨み合いを続けていたハインリヒであったが。
「・・・ハインリヒ?溶けちまうぜ?とりあえず、最初の一口、食べてみなよ」
 かなり遠慮がちにかけられたジェットの声に我に返り。
 そっとひと匙、フローズンストロベリーヨーグルト(だと思われる)の部分を掬い取って口に入れてみた。
「!!!!!!!」
 ハインリヒの頬に、パッと笑みが浮かんだ。
(美味い〜vvvvvvv)
 語尾に幾つものハートマークを飛ばしながら、ハインリヒは幸せに浸った。
「ジェット!お前も食べてみろ。めちゃくちゃ美味いから!!!」
 言うが早いが、ハインリヒはアイスを掬ったスプーンを、ジェットの口元に差し出した。
 驚いたのは、ジェットである。
(ええ!?ハインリヒが手ずから食べさせてくれるなんてっ!?)
 こちらも幸せに浸りながら、ジェットは口を開け、ぱくりとアイスを食した。
(確かに美味いかも・・・)
「な?美味いだろ、ジェット??」
 キラキラと瞳を輝かせ、期待に満ちた眼差しで答えを待つハインリヒに。
「美味いっ!」
 ジェットはビシッと親指を立てて見せた。
「これなら残さず、全部食えそうだぞ!」
「そうだろ、そうだろ!!」
 満面の笑みのままハインリヒは振り返り、ウェイトレス(ちょっと怪しげ)に声をかけた。
「おにい・・・お姉さん?スプーン、もう一本いただけますか?」
 そして二人は、巨大パフェの攻略を始めた。

 一口食べるごとに、ハインリヒの頬に笑顔が広がる。
(可愛いなぁ・・・)
 パフェを食べる手を止め、ジェットはその様子を眺めた。
 ハインリヒの笑顔を見ていると、自分も幸せな気持ちになれる。
 今ジェットの目の前で、ハインリヒは最高の笑顔を見せていた。
 パフェを頼んだ時のハインリヒがあまりにも嬉しそうだったので、『嬉しそうだね』と尋ねた時。
 ハインリヒは、『あの格好で外を歩かずにすんだから』などと言っていたが。
(こりゃ絶対、パフェが楽しみだったんだよなぁ・・・)
「ジェット」
 ご機嫌な声で名前を呼ばれた。
「何?」
「お前もちゃんと食え(ニコリ)」
 食えも何も、このままだと、ハインリヒ一人でほとんど食べ尽くそうという勢いであった。
 ハインリヒは、幸せそうな表情のまま、パクパクとパフェを食べ続けた。

「ありがとうございました〜v」
 結局、パフェは完食された。
 ほとんど、ハインリヒが食べた。
「上品な甘さだったからな。アレならまだイケるぞ!!」
 上機嫌で店を出たハインリヒの手には、しっかりとケーキの箱がぶら下がっている。
「後で食おうな、ジェットv」
 ハインリヒが甘いものを好きだということは前々から知っていたが、まさかここまでとは思わなかった。
(あんなに食べて、こんなに痩せてるんだもんなぁ。全国のナイスバディを目指してる女性の皆さんに、恨まれるぞ・・・)
 ジェットの思いを他所に、ハインリヒはフンフンと鼻歌などを歌っている。
 本当に、上機嫌だ。
(ま、イイか。ハインリヒが幸せなら、オレも幸せだしv)
 買い物袋を両手一杯に持って、ギルモア邸への帰り道。
「ハインリヒ、今、幸せ?」
「は?何だ、イキナリ」
「幸せ??」
 重ねて尋ねると、ハインリヒは穏やかな表情で答えた。
「ああ。いい気分だぞ」
「そっか・・・。なら、オレも幸せ」
「おかしなヤツだな・・・」
 ハインリヒは、肩をすくめる。
 ジェットはただ、クスリと笑っただけだった。
 夏の太陽が二人をギラギラと照らすけれど、暑さなどはものともせず、幸せな二人であった。



 ギルモア邸に戻り、買ってきた物を所定の場所にしまうと、何もすることがなくなった。
 リビングのソファに腰かけ、二人は何となく、自分がやりたいことを始めた。
 ハインリヒは読みかけの本を出して読み始め、手持ち無沙汰になったジェットは、とりあえずテレビのスイッチを入れてみたりする。

 ボーっとしながらしばらくテレビを見ていたジェットだったが。
 コトリ。
 肩に重みを感じて、ハインリヒを振り向くと。
 ハインリヒがウトウトと、まどろんでいる様子が目に入った。
 長い睫毛が、白い肌に影を落とす。
(めちゃくちゃ可愛いんですけど・・・)
 今日は朝から、ハインリヒの可愛らしい表情を見る機会が多いような気がする。
 広いギルモア邸に、二人きり。
 二人の間には、ひどく穏やかな空気が流れていた。
 ハインリヒを起こさないように気をつけながら、ジェットは幸せな気分のまま、ハインリヒの肩に手を伸ばした。
「キスしても、イイかな・・・?」
 小さく小さく呟いて。
 ジェットはハインリヒに、頬を寄せた。




〜 続く 〜



ウチのハインは甘党なので、しっかりパフェを食べ切りました(笑)。
ジェット、その甘いもの好き魂に圧倒されてます・・・。
アホな話ばかり書いてスミマセン!!
しばらくギャグが続いたので、最後は少しスウィート路線にしてみましたv
ねこ太様がどんな風にお料理してくださるか楽しみです〜vvv
続きをヨロシクお願いたしますっ!!!





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