1 夜のひかり

何時もどおりのお願いですが。
黒44は、通常裏部屋での取り扱いなので、
当サイトの表のSSとはかなり雰囲気が違います。
そんな黒44が好き!!
という方のみ、スクロールして読んでやってください。
苦手な方は回れ右でお願いいたします。
ちなみに今回は、24前提ではありません。







































 開け放った窓。
 部屋の灯りも付けずに。
 その窓際に肘を付き、黙って外を見ている。
 淡いブルーの瞳に月明かりが映り、まるで宝石のような光を放つ。
 そして、月の光が溶け込んだプラチナの髪。
 私はゆったりとソファに凭れながら、その様子を眺める。
 青白い月明かり。
 その下で、頬が病的なほどに白く見える。
 美しい、私の持ち物。



「アルベルト」
 名を呼べば、従順に振り返る。
「ああ、戻っていたのか・・・」
 その頬に、微かに笑みが浮かぶ。
 コツコツと靴音を響かせながら、私へと歩んでくる。
「もっと早くに声をかけてくれれば良かったのに」
「お前が、あまりにも美しくてな・・・」
 そう言えば、やはり、微かな笑みが頬に浮かぶ。
 誘うように、身を屈めて。
 私に、視線を合わせてくる。
 そして、艶やかに笑った。
 腕を引き寄せる。
 望みどおり口付けてやった。
 深く、深く。
 力が抜けて凭れかかって来る身体を、ソファに組み敷いて。

 夜のひかりの中で、そのまま、その細い身体を抱いた。



 私の腕の中で、気だるそうに髪をかき上げる仕草。
 指と指の隙間から、サラサラと絹糸のように零れ落ちていく。
 大きな窓から差し込む光を反射させながら。

 夜のひかりが良く似合う、私の・・・。

 ふと、私は考える。
 お前は、私の何なのだろう?
 お前を手に入れて、この腕の中に閉じ込めてはいるが。
 ・・・私にとって、お前は?・・・
 氷のような色をした瞳をじっと見つめると。
 薄い口唇が開いた。
「オレは、お前のものだ。それ以外の何でもない。違うか?」
 視線を逸らすことなく、私を見つめる瞳。
 そして、その答えに私は満足した。
「そうだな・・・。アルベルト。お前は、私のモノだ・・・」
 そう言って腕の中に抱き寄せると。
 白い頬に、穏やかな笑みが浮かんだ。

 髪から零れ落ちる月の光。
 星の瞬きのように微かに輝く瞳。
 太陽などよりもずっと。
 夜のひかりが良く似合う。
 私だけの・・・。

「アルベルト・・・」

 噛み締めるように、その名を呼んだ。
 仄白い明かりの中で、美しくその身を照らし出して。
 お前は、そっと微笑む。

 何よりも美しい、私の・・・。



〜 END 〜





まずは黒44。短い・・・です。
皆さんの予想通りの始まりでしょうか(笑)?
今回は、2を絡ませずに、真(??)の黒44にしてみました。
一応二人は愛し合っている設定です。
説明しないと分からないところがなんとも・・・。
ハインは月明かりが似合う人なので、
黒様にはそんなハインにうっとりしてもらいました(?)





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