ずっとずっと、花井のことが好きで。
 好きで好きで、想いが心から溢れ出てしまいそうで。
 だから。

「好きだ」

 そう告げてみた。
 すると、泣き出しそうな顔をして、見つめてきた。
「花井も、オレのコト、好きだろ?」

 その視線が、仕草が。
 オレを好きだと、克明に語っている。

 それなのに、キュ、と口唇を噛み締め、フルフルと首を振ってみせた。
 噛んだ後の口唇が、微かに赤くなっていて。
 まるで、ウソを付いて出来た傷のように見えた。
「ウソ言ったって、すぐに分かる。オレが、好きだろ?」
「・・・好きじゃ、ない・・・」
 小さな声。
「じゃあさ。花井、オレのコト、嫌い?」
 そう尋ねると、ピタリと固まった。
「ねえ。オレのコト、嫌い??」
 重ねて尋ねると、やっぱり、泣き出しそうな顔。
 瞳から、今にもポロリと涙が零れてきそうだ。
「き・・・嫌いじゃない・・・」
「じゃあ花井は、オレのコト、どう思ってる?」
「好きじゃないし、嫌いでもない」
「そんなの、答えになってないぜ?」
 黙ったまま、涙で潤んだ瞳。
 そんな目を見ていると、たまらない気持ちになる。

 逃がさない・・・逃がさない。
 全部全部、オレのモノだ。

「じゃあ、言葉にしなくてもいい。その代わり・・・。オレに、キスして」
 イヤだと言うように、首を振る。
 あれだけ見つめて、その気にさせておいて。
 今更、無かったことになんてさせやしない。
「キスして、今すぐ。オレのコト、少しでも好きだと思ってくれてるなら」
「・・・イヤだ・・・」

 そんなにイヤだと言うのなら。花井からのキスは、要らない。譲歩する。
「じゃあ、オレがキスするな?花井がオレを嫌いだったら、拒絶して」
 ほんの少し灰色がかった瞳が、丸くなる。
「好きだよ、花井」
 告げながら背伸びをして。
「キスしよ。な?」
 哀願の色が混じる、自分の声。
 何か言いたげな薄い口唇に吸い付いた。
 微かに身じろぐ身体。
 けれども、拒絶はない。

 好きだ、好きだ、好きだ・・・。

 オレの気持ちは、溢れ出ていて。
 だから、花井の心の奥底・・・もっと、曝け出して欲しい。

 閉じた目を開けて。
 オレを見て。
 花井を好きなのは、花井にキスしているのは、オレだ。

 このまま溶け合って、一つになれればいいのに・・・。
 背中に腕を回し、ギュッと抱きしめる。
 このまま・・・一つになってしまいたい。



  〜 END 〜




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タジハナでちゅーですvvv
田島くんからの一方的なちゅーですが(笑)。
花井くんの方は、好きになっちゃいけない、という感じ。
(田島様は将来、スーパースターになるからと思い、遠慮をしています)
説明しないと分からなくてすみません(汗)。
もっと元気で可愛いちゅーでも楽しかったのですが、歌のイメージを大切にv










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