天の彼方
幼い頃。
煌めく星空の向こうには、光に満ちた眩しい未来があると。
夜空の向こうからは、明日がやって来るのだと信じていた。
今では・・・。
思い出の・・・墓場・・・だと思う。
母親の優しい手の平も、笑顔も。
サラリと風を受けて流れる、眩い金の髪の女性への想いも。
彼女と出会って初めて知った、様々な感情も。
全て、夜空の星に閉じ込めて。
そして、天の彼方へと・・・。
この胸が、もう二度と痛むことの無いように。
遠く、天の彼方へ。
けれども。
夜の空を見上げると、不意に思い出すことがある。
置き去りにしてきた過去を。
微かな、胸の痛みと共に。
過去の思い出はが運んでくるのは、痛みだけでなく。
ほろ苦さと、ほんの少しの甘さと・・・。
愛されていた。
そして、愛していた。
再び夜空を見上げ、輝く星の中に、思い出を閉じ込めて。
天高く、遠くへ。
夜空の向こうに明日があると信じていた、子供時代の自分の姿も・・・。
全て、天の彼方。
果てしなく広がる、闇夜の果てに・・・。
そこに、思い出の全てがある。
甘さと苦さと切なさと。
全てを閉じ込めた・・・。
そこは、天の彼方。
〜 END 〜
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リモちゃんの女王試験が始まる前のクラ様のイメージで。
このお題は、難しかったです〜(汗)。
一応クリアという事でお願いします!!
残り一題、頑張ります〜。
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