関西旅行 24&44 四のお題

『パジャマ(24)』

二人でラブラブ関西旅行に来ている、
という設定でお願いします(笑)。




 目の前で、ジェットがニコニコと満面の笑みを浮かべている。
 ハインリヒは不審に思いつつ、とりあえず尋ねてやった。
「ジェット・・・」
「何??」
「ひどく嬉しそうだが、何かあったか?」
「え〜??何もないけどv」
 何もないと言いつつ、鼻の下が伸びている。
 怪しさ大爆発のその態度に不安を抱きつつも、ハインリヒは自分のベッドに潜り込もうとした。
「待てよ、ハインリヒ。もう寝ちまうの?少し冷たいんじゃないか?」
「一日歩き回って、オレは眠いんだ」
 キッパリハッキリ言い放ったが、ジェットはめげずにハインリヒに擦り寄りながら呟いた。
「それにしても、どうしてベッドが二つに分かれてるんだろう?」
「・・・ツインで部屋を取ったからに決まってるだろうが」
「え!?一つベッドがツインじゃないのか!?」
「・・・それはダブルだ」
「・・・・・・ま、まあ、それは置いておいて!!」
 ジェットがずいっとハインリヒに迫った。
「風呂に入った後のキミとオレとは、素敵なペアルックv」
「・・・ホテルのパジャマを着てるだけだろうが・・・」
「でも、同じパジャマだろ?ネグリジェっぽい感じでズボンじゃないから、キミの細い足首なんかが拝めて幸せvvv」
「ばっ、馬鹿野郎!何言ってやがる!?」
 額を小突いて馬鹿呼ばわりしたが。
 やっぱりニコニコと、ジェットは笑う。
「それに・・・」
 長い指が、ハインリヒに向かってスイッと伸びた。
 プチプチと器用にパジャマの前ボタンを外され、ハインリヒは思わず、固まった。
「ネグリジェの前ボタンって、萌えるよな〜vvv脱がすヨロコビも通常より深いしv」
「ネグリジェとか言うな!お前が言うと、何だかいやらしい!!」
 ボタンを外していく指を払い退けたが。
「それは偏見ってもんだろ?」
 ジェットはなおもニコニコと笑いながら、めげずに再度、ハインリヒに手を伸ばした。
「なあ、ハインリヒ・・・」
 ハインリヒが好きな琥珀色の瞳で。
 ひどく魅惑的に見つめてくる。
「オレのコト、好きだろ?」

 ・・・そういう聞き方は、卑怯だ。

 強引に迫ってくれば、鉄拳制裁でどうとでもあしらえるのに。
「オレのコト、好き・・・?」
 そんなに真面目に聞かれると、こちらも真面目に答えなければいけないような気持ちになる。
「・・・バカヤロウ・・・」
 ボソリと零した言葉に、ジェットが微笑んだ。
「でも、好きだろ?」
 その声に、その表情に、弱い。

 ああもう、どうにでもしてくれ。

 頬を寄せ、口唇に触れるだけのキスをしてやると、とてもとても嬉しそうに笑う。
「オレもハインリヒが好きだよ・・・?」
 いつの間にか、ハインリヒのベッド上に、ジェットが場所を移している。
 ボタンを外され露わになった胸元にジェットの指が触れると、身体がカッと熱を持ったような気がした。

 もう、どうにでもしてくれ・・・。

 ジェットの広い背中に、ギュッと腕を回して。
 その温もりを感じながら、ハインリヒはそっと瞳を閉じた。








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