トゥー○タウンにて
島村ジョーは、現在ランドでバイト中である。
「あーあ。ホント、嫌になっちゃうよねぇ・・・」
ブツブツと呟きながら、サカサカと掃除をしたり客を誘導したりしていた。
何しろ、この国はカップルが多い。
現に今も、ジョーの前で、バカップルがいちゃこらしている。
目も前で繰り広げられるベタベタな光景に、ジョーの周りの気温が徐々に冷え込んでいった。
「チッ・・・」
瞳を細め、ジョーは軽く舌打ちをした。
(ボクとハインリヒが一緒にこの国を歩いていたら、そりゃあもう、泣く子も黙る素敵カップルだけどさぁ、キミ達がいちゃこらしてたって、大迷惑なだけなんだよね・・・)
そして。
手を繋ぎあっているカップルの中心に向かって、ズカズカと歩いていく。
当然、カップルは繋いでいる手を離さずにはいられない状況に追い込まれ、男女共にムッとしたような表情を見せた。
「あ、スミマセ〜ンv」
ニッコリとエンジェルスマイルで、ジョーはカップルに微笑みかけた。
「気が付かなかったもので・・・」
天使の微笑みに騙された女性の方が、笑みを浮かべた。
「こちらこそスミマセンvvv」
明らかにポーっとなっている女性を男性が引きずるようにして、 カップルはその場から姿を消した。
「申し訳ありませんでした〜」
カップルを見送りながら、ジョーは冷ややかにそう言い、職務に戻ろうとした。
が・・・。
こちらに向かって歩いてくる男性の二人連れの姿に、ジョーの瞳がカッと見開かれた。
「ハインリヒ!ホラホラ、こっち!!ココの怪しい春巻き、美味しいらしいから食べようぜ〜v」
「ああもう、五月蝿い。もう少し静かに出来ないのか、お前は?周りに迷惑だろうが」
銀の髪の男性の言葉に強く頷きながら、ジョーは再度、ニコリとエンジェルスマイルをその頬に浮かべた。
「ハインリヒ〜vvv」
名前を呼ぶと、銀の髪の男性がジョーに視線を向け、その表情を綻ばせた。
「ああ、ジョーじゃないか」
「ボク、ここでバイトしてるんだよ〜vvv」
さり気なくハインリヒの隣にいたジェットを押しのけ、ジョーは彼の腕を取った。
「ハインリヒは、どうしてココに?一人??」
「いや、ジェットと・・・」
「え?ジェットとはぐれちゃったの?それは大変!!ボクね、これから休憩なんだ。一緒にジェットを探してあげるよ。ね??」
「こら!てめえ、ジョー!オレはちゃんとココに・・・!!」
ジェットが主張するが、ジョーは見事に聞こえない振りを決め込んだ。
「さあ、おいで、ハインリヒvいっそもう、ジェットなんか放っておいて、このままボクとデートしようよvvv」
「ジョー、バイト中だろう・・・?」
困惑しながらのハインリヒの言葉に、
「ん?イイの、イイのvvv」
そのままギューっとハインリヒの腕に抱きついた。
「ジョー!ふざけるなよ!?」
抗議の声を上げるジェットにエルボーを食らわせ。
その場に崩れ落ちるジェットを、ジョーは冷ややかな視線で見下ろした。
「大変!お客様が急に気分が悪くなったみたいですぅ!!」
同じトゥーンタウン内のキャストの女性にサワヤカにそう告げてから、ジョーはぐいぐいとハインリヒの腕を引いた。
「さ、行こうvvv」
「ジェ、ジェットが・・・」
「ああ、あの赤い髪のお客様?大丈夫、手加減しておいたからv」
やっぱりニッコリと、ジョーはエンジェルスマイルを見せた。
「それともハインリヒ、ボクとデートするのが嫌だとでも・・・??」
その瞳は笑っておらず。
「いや・・・。せっかくだから、ランドを案内してもらおうか」
これ以上逆らっても、ジェットがますます地獄を見ると判断したのか、ハインリヒは大人しくジョーに従った。
「うわーいv夢にまで見た、ハインリヒと一緒にランドデートだ〜!!」
「ハインリヒ〜!!おい、ジョー!待ちやがれっ!!」
ジェットの声が、徐々に遠ざかっていく。
無邪気に喜ぶジョーの隣で、ハインリヒが小さく、溜め息を吐いた。
〜 END 〜
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黒島村様が○ゥーンタウンでバイトをしていたら・・・。
というネタを使わせていただきましたv
ト○ーンタウンで微笑みながらカップル苛めに励む島村さま。
そして、遊びに来ていた24にもちょっかいを出す島村さま。
無敵の島村さま。ラブ。
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