宇宙平和はボクの手に





 決死の思いでゲットした、「○ズ・ライ○イヤーのアストロブ○スター」のファ○トパス。
 パスをゲットしたはイイが、指定された時間帯は19時からだった。
「おいおい・・・。今の時間帯のパスで19時からか・・・。参ったな。」
 溜め息をつくハインリヒに、イワンはニッコリと笑いかけた。
「別にイイじゃない。その間に、他のアトラクションをたーっぷり楽しめばvvvね??」
 その言葉どおり、アトラクションに乗りまくり。
 そして、時刻は19時を迎えようとしていた。



「ボクね、これ乗りたかったんだ〜♪」
 イワンはウキウキと、パス専用の入り口へと進む。
 このアトラクションが完成してから、しばしの日数は過ぎているが、それでも、王国で一番新しいアトラクションである。
 120分、90分待ちは当たり前!
 パスを取るにも最大30分待ちという、人気のスポットだった。
「フフフン、フンフン〜vvv」
 軽く鼻歌など歌いながらイワンが歩いていると、隣でハインリヒが苦笑している姿が目に入った。
「なあに、ハインリヒ?何かおかしい??」
「いや・・・。楽しそうなお前を見ていると、オレも楽しいよ」
 穏やかな笑顔でそんな事を言われてしまうと、少々照れてしまったりして。
 イワンはギュッと、ハインリヒの手を握りしめた。
「ホラ、行くよ!!」
 クスクスとハインリヒが口元を押さえて笑った。
「何!?」
「珍しいな・・・。照れてるのか?」
「ちっ、違うもんっ!!!」
 イワンはポカポカと、ハインリヒの胸元を叩いて抗議した。

 館内を歩いていると。
 ここはシューティングタイプのアトラクションで、
 『スペース○ンジャーの一員となってスペー○クルーザーと光線銃を使い、悪の帝王から宇宙を守る』
 という設定になっていることが分かった。
「やっぱり面白そうv」
 砂色の瞳をキラキラと輝かせ、イワンはハインリヒに提案した。
「ね!ハインリヒ。このアトラクション、各自得点が出るみたい。どっちが高得点をゲットできるか・・・やってみない?ボクが勝ったら、キミは何でもひとつ、ボクの言うコトを聞く。ってコトでどう??」
 ハインリヒはニッと笑って答えた。
 射撃は自信があるのだろう。
「じゃあ、オレが勝ったら、イワンがオレの言う事を何でも聞くのか?」
「もちろん!」
 話しているうちに待ちの列は順調に進み、二人の前に「スペースク○ーザー」なるものが流れてきた。
「大丈夫ですか?気をつけて乗ってくださいね」
 そう言われ、イワンはギロリとキャストの女性を一瞥したが。
「ありがとうございます」
 という優しい声と共に、ハインリヒからヒョイと持ち上げられ、文句を言う間もなく席に座らされた。
「ちょっと、ハインリヒ!!あーゆー失礼な輩には、キッチリ言ってやらないとっ!!ボクは立派な大人です!」
「分かった、分かった。お前さんは立派な大人だよ・・・。オレがちゃんと分かってる」
 ハインリヒが席の前に設置してある光線銃を手に取り、イワンに手渡した。
「ホラ。さっさとしないと・・・始まってるぞ?」
 イワンは拗ねモードから我に返った。
「ハインリヒ、イイね?ボクが勝ったら・・・うふふふふ〜vvv」
「その不気味な笑い、やめてくれないか・・・?」
 ハインリヒが小さく、溜め息を漏らした。

 ゆるゆると動くクルーザーから、イワンは手にした銃でバシバシと的を撃った。
(あ、思ったより簡単〜vvv)
 チラリと伺うようにハインリヒのスコアに視線をやると。
(はぁ?嘘でしょ!?)
 戦闘中は正確無比を誇るハインリヒの射撃の腕であったが、どうやらこのアトラクションでは、それが全く発揮されていないようだった。
 クスリ、とイワンは笑い。
「ハインリヒ、へたくそ〜!」
 動揺を誘うようにして、声を出した。
「なっ・・・!ちょっと調子が出ないだけだっ!!」
「ムキになって、カワイイね〜♪」
 ハインリヒはフイと横を向き、必死の形相で銃のトリガーを引いているが。
「ぷっ・・・。ハインリヒ・・・」
「分かったから、黙ってろ!!レイガンと何処が違うってんだ・・・ブツブツ・・・」
 クスクスと笑いながら、イワンは高得点のターゲットを狙う。
「楽勝〜!」
「うっ、うるさ〜い!!」
 ゆっくりと、ゆっくりと。
 二人を乗せて、クルーザーは進んだ。

「と、いうワケで・・・!勝者、イワン様〜!!!おまけに、ア○トロ・ヒーローレベル到達〜vvv」
「そりゃあ、おめでとう」
 負けるなどとは露ほどにも思っていなかったのだろう。
 見ているのが気の毒なぐらいに肩を落としているハインリヒに、イワンは明るく微笑みかけた。
「ハインリヒv」
「なっ、何だ?」
 あからさまに警戒の表情になるハインリヒ。
「そんな顔しちゃって、感じ悪〜い!」
「す、スマン・・・」
「約束どおり、ボクの言うコトきくんだよ」
「・・・分かってる」
 アトラクションの外に出ると、もうすっかり日が暮れていた。
「少し寒くなってきたし、あまり遅くなるとフランに怒られるな・・・。そろそろ、引き上げるか?」
 ハインリヒと並んで歩きながら、イワンは空を見上げた。
「キレイな星空だね〜」
 キュ、と、ハインリヒの手を握りしめて。
「今度また、二人だけで遊びに連れてきて」
 サラリとイワンは言葉を紡いだ。
「え・・・?」
「何でもひとつ、言うコトをきく約束。もう一度、遊びに連れて来てね・・・?」
 ハインリヒの瞳が優しくなり。
 夜空の星よりもキレイな光を湛えた。
「そうだな・・・。約束する」
「うん!」
 二人はそのまま手を繋ぎ、夜の園内をブラブラと歩きながら出口へと向かうのだった。



  〜 END 〜




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うわーお!ラブラブ〜!!
・・・なのかな??
下手くそなハインさんは、私の身代わりです・・・。
アレ、当ててるつもりで当たらないのよう!!
ああ、14書けてし・あ・わ・せ〜vvv





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