いろいろやりたいお年頃
田島はどこか、野性的だ。
本能のままにだけ、生きているのではないかと思ってしまう程に。
「は〜な〜い〜!」
人の都合などお構いなしで、ベタベタベタベタしてくる。
そして。
「ちゅーしようぜ、ちゅー!!」
嫌だ!何が楽しくて男の田島とちゅーしなければならないのか!
と、言う間もなく。
うちゅうとキスされた。
「は〜ない!」
顔を離してニパっと人懐こく笑われれば、怒る気力も失せる。
やりたいと思った時が、やる時なのだ。
この男にとっては。
「やめろっての、バカ」
「どうして〜?オレもっと、花井に触りたいよ・・・」
絡みつく腕を些か邪険に払い除けると、しょんぼりと俯き、上目遣いに見上げてくる。
まるで、飼い主に叱られた犬のようだ。
けれども、ここで甘やかせば、後で自分が後悔する。
「そんな殊勝な態度を取って見せても、ダメっつったらダメ!!」
今度は、駄々をこね始めた。
「ヤダ〜!!花井にもっとベタベタしたいんだって〜!!!」
「だから、オレはイヤだって!!」
「花井〜〜〜」
この場に、他の部員がいなくて良かったと、心から思う。
「花井、オレのコト、アイシテルだろ??だったら、もっと触れ合お?」
「真昼間から恥ずかしげも無くそんな台詞を吐けるお前を、オレは尊敬するよ・・・」
「じゃあ、も一回ちゅーさせてvんで、それ以上のコトもさせてvvv」
「バカ・・・嫌味だよ・・・」
はあ、と零れ落ちるため息。
「はない、花井、はない〜!!」
色んなコトに好奇心旺盛なお年頃。
そんなお年頃の田島(花井も同い年なのだが・・・)に、これを言ったら負けだと思う。
負けだと思うけれど・・・。
いい加減うざったいし、ちょっと絆されてしまったりもしている。
「・・・分かった!」
キラキラと、期待に瞳を輝かせ、田島が花井を見つめる。
「もういい、お前の好きにしろ!!」
男らしく胸を張りながら、花井はそう、宣言した。
言っている事は、アレだったが・・・。
「は、花井〜vvv」
ギュウと、熱い抱擁。キスの、嵐。
(うわ〜〜!!!)
思いっきり腰が引けるが、好きにしろと言ったからには腹をくくらねばならない。
赤い舌でペロリと己の口唇を舐めながら。
田島がニヤリと不敵に笑った。
「それじゃ、好きにさせてもらうなv」
「待て!たった今、好きにしたろうが!?」
「え〜?まだまだオレがしたいコトの10分の一にも満たないよ!!」
青い空のようにサワヤカな笑顔で、そんなことを言われても・・・。
花井は、天を仰いだ。
「あー、分かった。マジで好きにしろ」
「えへへ〜vvv」
ああ、この満面の笑みが恐ろしい・・・。
田島の顔が迫ってくるのは、何度目か。
諦めの境地で、花井はキュッと瞳を閉じた。
どうてもいいが、貞操だけは守ろう・・・。
強く、そう思いながら・・・。
〜 END 〜
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イヤだと言いながら、結局は流されている花井くん(笑)。
この後、田島くんは、やりたい放題ですね!!
やりたい放題中の部分は、皆様の心の中で補完をお願い致しますvvv
花井くんの貞操は守れたのでしょうか(笑)??
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