『マツケ○サンバ U』
(ボグート社長+腰元ダンサーズ(笑))






 (株)ブラックゴースト、大会議室。
 朝礼のため社員達が居並ぶその部屋に、軽やかなラテン系の音楽が流れ出す。
 そして、ピンクのキラキラ着物を身に付けた4人組(性別:男)。
 棒の先にヒラヒラがついたアイテムを手に持ち、キレの良い腰つきでステップを踏みクルクルと回る。

 キャー!!!

 女性社員、大喜び。
「ノリノリで踊ってる、島村さんが素敵〜v」
「アラ、それより、テレテレでぎこちなく踊ってるハインリヒさんが可愛いわ!」
「悟りきったような表情で飄々と踊るシュヴァルツ課長がぁぁvvv」
「やだ!リンクさんたら、他の皆さんと動きがあってな〜い(爆)!でもそこがイイわ〜v」

 前奏がクライマックスとなり、4人が二手に分かれて舞台の中央にサッと道を開けた。
 気合の入ったヅラ、キンキラキンのゴージャスな姿で現れたのは・・・。

 おお〜!!
 キャァァ〜!!!

 男性社員も女性社員も大喜び、我が社のカリスマ、ボグート社長であった。

「叩けボンゴ響けサンバ 踊れ南のカルナバル♪」

 歌いながら舞台中央に華麗なステップで現れたボグート。
 ステップを踏みながら、所狭しと歌いまくる。
 その背後で踊る、腰元ダンサーズ(笑)。
 ニコニコと満面の笑みを浮かべながら、素晴らしい腰つきで踊る島村。
 真っ赤な顔をして、どこか動きがぎこちない、ハインリヒ。
 飄々と踊り、時折口元に余裕の笑みを浮かべるシュヴァルツ。
 そして、他の3人とワンテンポ動きが遅れている(でも一生懸命)ジェット。

 少し離れた場所で踊るジェットに視線をやり。
(営業部の恥!リンクには更なる特訓を・・・)
 などと、営業課長のシュヴァルツが思っていたとかいないとか。

「オーレ オーレ〜♪」
 ビシッとボグートが決めポーズを取る。
「マ○ケンサンバ」

 ノリノリで踊るボグート。
 朝礼はどうしたと問い正したいところだが、社員達は熱中して喜んでいるので結果オーライと言ったところである。

「あぁ 恋せよアミーゴ 踊ろうセニョリータ」
 目線をバッチリ決めながら、右前方にるセニョリータ(笑)を指し、ボグートがニヤリと笑う。
「キャッ!社長が私を指差したわ!!」
「違うわ!私よ〜!!!」
「何言ってんの!私を指してくださったに決まってるわっ!」
 ボグートが指差した先にいる女性社員数人が、揉めている。

 どこか物悲しい思いで、その様子を眺める、社長付(営業部兼務)アルベルト・ハインリヒ(30)であった。

 踊りはいよいよ佳境を迎えつつある。
「サンバ ビバ サンバ マ・ツ・ケ・ン サンバ〜〜〜♪オレ!!」
 右手を一気に上に挙げ、最後の決めポーズを取るボグート&腰元ダンサーズ。
 社員達からは拍手喝采である。

 額の汗を拭い、ボグートがキラキラ衣装のまま話しだした。
「諸君、おはよう。今日も我が社のため、一日しっかりと職務に励むように。ちなみに、これからしばらく、この場で私の華麗なるマツ○ンサンバを披露することとする。以上!!」
 おピンクの衣装のままのハインリヒが、そのままマイクを受け取った。
「サンバの『踊ろうセニョリータ』で社長から指を差されたセニョリータ若しくはセニョールは、その日の昼食を社長と共にすることができます」

「指差されたのは私よ!!」
「だから、私だって!」
「私に決まってるでしょ!?」
 再び、女性職員の戦いが始まった。

「ハッハッハ。まあ、じゃんけんでもして決めなさい」
 鷹揚に笑うボグート。
「さあ、お前達!今日もしっかり仕事に励むんだぞ!!」
 そして腰元ダンサーズを携え、会議室から去っていくボグート。

 こうして、(株)ブラックゴーストの一日が始まった・・・。



〜END〜






◆コメント◆

チャットで話題に出た「ボグート社長がマツ○ンサンバ」、
のネタを使わせていただいてしまいました。
文字だと目に訴えるものがないのですが、
色々と(笑)ご想像いただければ。




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