HAPPY!?
いつも通りに、ジムに顔を出すと。
「木村さ〜ん!!」
後輩に飛びつかれ、木村は思わずよろめいた。
「お誕生日おめでとうございま〜すvvv」
ギューっと抱きしめられつつ。
「はあ??」
頓狂な声を出した木村に対して、板垣はひどく不満そうな顔をして見せた。
「ボクがせっかく木村さんの誕生日を全身全霊で祝っているのに!!なんですか、その反応は!?」
「まあまあ・・・」
一歩が苦笑しながら二人の間に入る。
「木村さん、おめでとうございます」
「いやー、今日だったんだなぁ。忘れてたわ」
クスリと笑って、一歩が木村にリボンの付いた包みを差し出した。
「これ、ボクと学くんからです。使ってくださいね」
「すっごーく愛を込めて選んだんですから!!」
板垣が木村の肩にぶら下がった状態のまま、口を出してくる。
「おう。サンキューな」
重さや形からして、タオルかTシャツだ。
それなりに忙しいだろうに、心を込めて準備してくれた、というその気持ちが嬉しくて。
ニコニコと笑う後輩二人に取り囲まれて、木村が少しジーンとしていると。
「木村!オレはラーメン奢ってやるよ。近々、店に来いよな!」
青木がパチンと木村にウインクしてみせる。
「別に、そんなに気にしてくれなくてもイインだぜ?」
「誕生日って、めでたいもんだろ?餃子も付けてやるからさ。絶対に顔出せよ」
「ハイハイ、分かりましたよ。つか、ありがとな」
何だか、いい日だなぁ、と思う。
「おう、木村!!」
そして、鷹村の登場だ。
「今日は誕生日なんだってな。ん?オレ様が愛を込めて、熱〜いキッスを贈ってやるぞ〜!!ガハハハハハハ!!」
「うわっ!お断り・・・」
グイッと腕を引き寄せられる。
冗談はやめてくれ〜!!!
半泣き状態でギュッと、木村は目を閉じたが。
・・・あれ??
キスではなく、ギュッと抱きしめられる。
抱きしめている腕は、鷹村のものではなく。
・・・え?え?嘘だろ、だって・・・。
そっと顔を上げて、抱きしめている腕の主の顔を伺うと。
漆黒の瞳に険呑な光を浮かべて。
鷹村を睨みつけている、宮田の姿・・・。
木村と目が合うと、宮田は急に表情を和らげた。
「大丈夫ですか、木村さん?アンタの王子が助けに来ましたよ」
「・・・お前なぁ・・・。自分で王子なんて言うなよ・・・」
「だってそうでしょ??」
木村に向かってそう言ってから、宮田はグルリと鴨川チームを睥睨した。
「木村さんに手ぇ出そうなんて、百年早いね。この人はもう、オレのモノですから」
顎を持ち上げられ、端整な顔が迫ってくる。
そして何かを思う間もなく、口唇を重ねられた。
「〜〜〜〜っ!?」
待て待て待て待て、宮田!!
こんな、公衆の面前で〜っ(滝汗)!!!
口唇を離した後、呆然とする木村を他所に、宮田は誇らしげに辺りを見回した。
「そんなワケですから」
言葉もない一同。
木村もまた然り。
固まる木村の腕を引き、宮田は普段決して見せないようなサワヤカ笑顔で笑った。
「それじゃ、この人は貰っていきますよ?」
そのまま、ぐいぐいと引きずられるようにして、ジムから出た。
「宮田〜っ!!!」
我に返って、詰るように名前を呼ぶと。
澄ました顔で、返事が戻ってくる。
「イイでしょ?アンタもう、オレのモノなんだし」
「だからって、あんな公衆の面前でっ!」
「ハイハイ。そんなに照れないでくださいよ」
掴んでいた木村の腕を放し。
宮田の手の平が、木村の手を握った。
「今日はアンタの誕生日でしょ?なんでも、望みを聞いてあげますよ」
「バカヤロ・・・」
手を繋いで。
一緒に、街を歩く。
それだけでもう、充分幸せじゃないか・・・。
などと思いながら。
「じゃあさ。映画見て、お茶して、美味いもん食いに行こうぜvもちろん、全部お前の奢りなvvv」
そう、言葉を投げかけると。
優しい瞳で、宮田が見つめ返してきた。
「アンタの、望みのままに・・・」
手を繋いだまま、二人で、街を歩く。
何だかイイ日だなぁ・・・。
そう思いながら。
宮田に手を引かれ、木村は小さく、笑いを漏らした。
〜 END 〜
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木村さん、お誕生日おめでとうございます。
誕生日祝いSSが、こんなんでスミマセン(汗)。
愛だけは籠って・・・!!!
一応、いろんな人にお祝いしてもらって、
最後に宮木〜!!
という風にしたかったのですが。
ふう(遠い目)。
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