[宮木or木宮10題]

9//沈黙





 嫌いじゃないよ。
 お前と過ごす時間。
 暖かな空気が流れる、空間。

 言葉なんて無くても。
 ホラ。
 お互いに、分かり合えるだろう??





 一緒にロードワークなんかしたりして、その後、近くの公園で一休み。
 木製のベンチに腰掛けて、二人で水分補給。
 お互いに口をきくでもなく、ボーっと、周りの風景を眺めていたりする。


 俺は何となく、空を見上げてみた。

 今日はとてもいい天気だなぁ。

 とか。

 空の青が、めちゃくちゃキレイだなぁ。

 とか。

 そんなコトを、思う。

 そして。

 俺の隣で、お前は一体、何を考えてるんだろうな?





 黙ったまま。
 二人、隣り合わせ。
 俺達の間には、優しい、沈黙の時。

 言葉なんて、いらないよな。
 だって今、こんなにも気持ちが穏やかで。
 こんなにも、幸せ気分。

 今日は本当に、いい天気だから。
 もう少しだけ、このまま二人で。
 心地の良いこの空間、楽しもうぜ?

 チラリとお前に視線を走らせたら。
 目と目が思いっきりぶつかって。
 二人で、声を出さずに小さく笑い合った。

 こんなに幸せ気分でいいのかなぁ、なんて思いながら。
 やっぱり黙ったまま、空に向かって大きく伸びをした。

 気持ちイイなぁ。
 お前と一緒に作り出している、この空間。
 だから。

 もう少し、もう少しだけ・・・。



〜 END 〜




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「黙っていてもお互いに伝わる幸せ」をテーマに。
木村さんの幸せ気分が皆様にも伝われば嬉しいです。





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