Two As One 1
女王の統べる世界とは別の宇宙にぽっかりと浮かんでいる、飛空都市。
現在、その場所では女王試験が行われている。
二人の女王候補が、それぞれの大陸を育て、慈しみ。
大陸の中央にある島に、建物が建った時点で、次世代の女王が決まるのだ。
今日はその女王試験の定期審査の日・・・。
育成の状況が確認され、女王が玉座から姿を消した。
そして、謁見の間に集まった面々も退出しようとした時。
「皆さん、少し待ってください」
女王補佐官であるディアの穏やかな声が、一同を引き止めた。
「陛下のお客様が、女王試験の視察にいらっしゃったのです。今ここで、ご紹介しておきますね」
スッと、ディアが背後を振り向いた。
高い靴音を響かせながら現れたのは、二人の男性。
「ウォルフガング・ミッターマイヤー提督、オスカー・フォン・ロイエンタール提督のお二方です」
蜂蜜色の髪の見るからに快活そうな青年が、片手を上げ、敬礼の姿勢を取った。
「小官はウォルフガング・ミッターマイヤーであります」
落ち着いた表情をした漆黒の髪の青年は、打って変わって優美に一礼をした。
「オスカー・フォン・ロイエンタールです」
ニッコリと、ディアが一同を見回した。
「お二方は、しばらくの間、飛空都市に滞在されます。皆さん、くれぐれも失礼のないように。そうだわ、ジュリアス」
「・・・何か?」
「お二人の良いお話し相手になってあげてくださいね」
そして、グルリと皆を見回して。
「もちろん、他の皆さんも。陛下の大切なお客様ですから」
『大切な』を強調するディア。
一同がコクコクと頷くと、ニーッコリと優美に微笑んで、男性二人を伴って退出していった。
「アレは何なのだ、一体?女王試験を視察して、どうしようというのか??」
ブツブツと呟くジュリアスに、首を傾げながらルヴァが答えた。
「うう〜ん。あちらの世界でも、女王試験のような試験があるのかも知れませんよね〜。宇宙は広いですからねぇ、うんうん」
その傍らで、オリヴィエが楽しそうにリュミエールに声をかけた。
「ま、失礼のないようにすればイイんでしょ?ねえねえ、リュミちゃん。彼らを誘って、お茶会なんてどう??」
「ああ、それはいい考えですね、オリヴィエ」
ジュリアスが、ポンと手を叩いた。
「茶会か・・・!私も賛同するぞ。リュミエール、オリヴィエ、そなた達で主催をするように」
「は〜い」
「承りました」
女王候補達は、我関せず、といった佇まいである。
「ロザリア、アンジェリーク」
ジュリアスに名を呼ばれ、ロザリアは優雅に振り返り、アンジェリークはキャッと飛び上がった。
「そなた達も、茶会には参加するのだぞ」
「へ?」
キョトンとした顔になるアンジェリークに、ジュリアスは再度告げた。
「客人を招いての茶会には、女王候補の二人も参加するように」
「分かりましたわ、ジュリアス様」
一言答えると、ロザリアはアンジェリークを引っ張って謁見の間を出て行った。
穏やかに進められていた女王試験に投げ込まれた、小さな出来事。
「ん〜ふ〜ふ〜v何か楽しい事が起こりそうな予感がするよ〜vvv」
オリヴィエがウキウキと、リュミエールに囁いた。
〜 続く 〜
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すご〜く久々の銀○パロです。
今でも好きだと言ってくださる方がいらっしゃるので、
今回、思い切って連載をすることにしました。
いつもと違って、今回はリモが女王候補設定。
テーマは、双璧に愛されるリモ、です〜vvv
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